「健康診断で貧血っていわれたけど何がいけないの? 」
「疲れやすいし、爪が割れやすくなった気がする……」
そんなお悩みはありませんか。
貧血はよく聞く言葉ですが改めて考えるとよくわからないという人もいるはず。
しかしわからないからといって放置すると危険な病気が隠れていることも。
そこでこの記事では、貧血とは何か、原因や暮らしでできる対処法、食事のコツをご紹介します。
暮らしを見直して、元氣に過ごしましょう!
そもそも貧血とは?
貧血とは病名ではなく、血液中の赤血球の数がたりなくなることで全身の組織に十分な量の酸素を届けられなくなった状態のこといいます。
朝礼などで「貧血で倒れた」という話も聞きますが、これは一時的に脳内の血流量が減った脳貧血という状態で、赤血球の不足による貧血とは別の症状です。
貧血の症状
貧血が起きると全身に症状が出ます。
爪が割れやすい
唇があれる
シミができやすい
クマ
髪のツヤがなくなる
疲れやすい
だるい
すぐに息切れする
頭痛
立ちくらみ
貧血の原因
貧血といと鉄不足のイメージがありますが、実はさまざまな原因があり、大きく4つに分けることができます。
原因①|栄養不足
食事の偏り
赤血球は食事で摂った栄養素を材料に作られます。
赤血球を作るには、たんぱく質、脂質、糖質、鉄、銅、亜鉛、葉酸、ビタミンB12……と多くの栄養素が必要です。
貧血のときは何か特定の栄養素や食材が不足しているというより、食事全体の量がたりないか、バランスに偏りがあると考えられます。
消化・吸収ができていない
食事で栄養素を過不足なく食べていても、消化・吸収されなければ体内で栄養不足の状態が起こります。
この場合、食べ方や胃腸の機能の影響が考えられます。
原因②|過剰な出血
子宮筋腫や月経異常、胃や腸の潰瘍、痔、がんなどによる出血で赤血球が不足した場合も貧血が起こります。
原因③|血液を作る機能の病気
骨髄の病気や重症の腎臓病、関節リュウマチなどの病気が発症すると、血液を作る機能が低下し、貧血の症状が出やすくなります。
原因④|赤血球を壊す病気
細菌の感染や、免疫の異常、激しい運動などで赤血球が壊されてしまい、貧血になることもあります。
かかりつけ医を受診して
貧血を起こしている原因を突き止めず放っておくと、命にかかわる病気が隠れていても気づけない場合もあります。
動悸や息切れが何度もおこる、めまいや立ちくらみがひどいなど日常生活に支障をきたすような場合は、ただちにかかりつけ医に相談してください。
また、健康診断で要再検査、要精密検査の指示がある場合は必ず指定の医療機関を受診しましょう。
暮らしでできる貧血の予防法と対処法
貧血があってもたまに起きる程度で日常生活に支障がないくらい症状が軽い場合は、暮らしを見直すだけで改善することもあります。
また、治療中であっても土台となるからだを整えることで結果が出やすくなりますので、普段のご生活を振り返ってみてください。
貧血対処法①|食事を整える
からだは食べたものだけで作られます。
十分なエネルギーを摂り、赤血球の材料をそろえ、血液を作る機能を維持するためには食事を整えることが効果的です。
鉄だけでは不十分
貧血で受診すると鉄剤を処方されることがありますが、実はそれだけでは不十分な場合が多くあります。
赤血球を作るには膨大なエネルギーが必要ですし、材料には鉄以外にも、銅、亜鉛、葉酸、ビタミンB12など多くの栄養素が必要です。
また、栄養素は単体ではなく常にチームで働くので、単一の栄養素だけを多く摂ることで全体のバランスを崩すことさえあります。
一汁一菜でバランスをとる
日常の食事で栄養計算を行うのは非常に難しいことです。
そこでおすすめしたいのが一汁一菜の型を整えること。
ごはんと具だくさんのおみそ汁、肉や魚などのおかずを一品というシンプルですが、必要な栄養素をまんべんなく摂り、不要な成分を摂らずにすむ合理的な献立でもあります。
貧血対処法②|胃腸を整える
せっかくバランスのいい食事をしても消化・吸収されなければ意味がありません。
消化・吸収のかなめである消化器にも注目しましょう。
鉄の吸収には胃酸が欠かせない
赤血球の材料になる鉄はそのままでは吸収しづらい栄養素ですが、胃酸と反応すると吸収しやすい形に変わります。
鉄を効率的に吸収するには胃酸が十分に出るように胃を元氣な状態に整えることが大切です。
元氣な胃腸は口から始まる
栄養素を吸収する腸を整え、胃を元氣に保つには口が重要です。
食べ物をよく噛まないで飲み込んでしまうと、胃の負担が大きくなり、食べ物と胃酸が十分に反応できなくなります。
また、十分に消化されていない食べ物は腸で栄養を吸収できないばかりか、腸内環境を悪化させることもあるのです。
ゆっくりよく噛んで食べることも貧血の予防や改善に役立ちます。
貧血対処法③|循環をよくする
酸素や栄養素を全身に運び、老廃物を回収する血液が滞りなく流れることは貧血の改善だけでなく、からだの機能を維持するために重要なことです。
巡りのいいからだを目指しましょう。
暮らしに運動を取り入れて
立っていても座っていても、ずっと同じ姿勢でいることが血行を悪くします。
45分から1時間に1回は軽く動いたり、休憩を取ったりするのが理想です。
特別な運動はしなくても、家事をまとめてやるのではなく分散させたり、職場で定期的にトイレに立ったり窓辺に行くだけでもOKです。
睡眠時間を確保する
睡眠中は成長ホルモンが分泌され、新しいものを取り入れ古いものを捨てるという「代謝」が促されます。
しかし睡眠不足では成長ホルモンの分泌が少なくなったり、効きが悪くなったりして代謝が落ちてしまい、赤血球を作るサイクルにも支障が出ることも。
睡眠時間を十分に確保してから、1日の予定を組むようにしましょう。
ストレスは早めに手放す
大きすぎるストレスは血管を細くさせ、血液の流れを悪くします。
一時的であれば問題はないのですが、頻繁にもしくは長期間、血管が細いままだと血行が悪くなり、全身に影響がでることも。
ストレスは避けたり、取り除いたりするのが一番ですが、難しいときはため込まず、持ち越さず、なるべく早く手放せるといいですね。
貧血知らずのからだでご機嫌に過ごそう
一時的な貧血の症状は誰にでも起こりうることですが、長く続く場合は危険な病気が隠れているかもしれません。
いつものことだから、年だからと放っておかないで。
暮らしを振り返りからだの機能の底上げをしつつ、必要なときには医師の助けを借りて、毎日を気持ちよくご機嫌に過ごしましょう!
参考
厚生労働省「e-ヘルスネット」貧血の予防には、まず普段の食生活を見直そう
あすか製薬株式会社「Mint+」貧血について
Doctors File「貧血について」