管理栄養士の小原水月です。
日本人の食事摂取基準、食事バランスガイド、PFCバランス……
信頼できる機関から私たち日本人が健康に生きるために摂るべき栄養素や食品について参考になる数値はいろいろ示されています。
けれど、いざ食卓についたときに、自分が何をどれだけ食べたらいいかがわかりづらいですよね。
じつは、あなたに必要な食事が何かということは、誰かがポンッと教えてくれるものではありません。
試行錯誤して、体得しなければならないのです。
例えばカロリーをみてみましょう。
厚生労働省が公表している日本人の食事摂取基準2020年版で推奨されるカロリー(エネルギー)の内訳は以下の通りです。
たんぱく質 13%~20%
脂質 20%~30%
炭水化物 50%~65%
例えば、1日の摂取カロリーを2000kcalにした場合、必要な炭水化物をごはん(1膳150g)で表すと4.4膳~5.8膳となりかなり幅があります。
なぜ、こんなにも幅があるのか。
その理由は体内でのカロリーの使われ方にあります。
カロリーとはエネルギーの単位で、生命活動を行う動力源になります。
例えば、臓器を動かす、血液を流す、体温を維持する、呼吸をする、食べた物を消化吸収する、ウィルスや細菌を駆除する、話をする、歩く……
これらすべての行動がカロリーをもとに行われています。
さらに、体は食べた物を材料に暮らしの積み重ねで作られます。
今まで何を食べてきたのか、睡眠時間はどのくらいか、食事は何時ごろに食べるのか、思考や嗜好……
人によって体の大きさも活動量も、生活する環境も違いますよね。
もっというと、同じ人であっても日によって体調や気分が違うし、スケジュールも変わってくるので、必要なカロリーも一定ではありません。
このように、カロリーの使われ方も、カロリーを使う体も千差万別のため、必要なカロリーをピンポイントで決めるのは非常に難しいのです。
そこで、私が食事で軸にしているのがお米生活のごはん:おかず=6:4のバランスです。
ごはんをしっかりにおかずが控えめの食事で、おかず1口食べて、ごはん2~3口食べるとちょうどいいバランスです。
今の自分に合った食事が選べたのかは、食後の体感でみています。
元氣になったか、気持ちが前向きになっているか、満足感や充足感はあるか、重だるさはないか、次の食事までにおなかが空き過ぎないか、などです。
また、直近2週間くらいを振り返って、気持ちが穏やかか、お通じの調子はどうか、睡眠の状態はどうか、肌や髪、爪の具合はどうかなども気にしています。
ごはん〇g、肉〇g食べればOKと言われた方が分かりやすく、楽かもしれません。
しかしそれでは、日々変化する体には対応できないのです。
しばらくは試行錯誤して、行きつ戻りつして、もどかしいかもしれませんが、体得してしまえば一生ものです。
年を重ねても、環境が変わっても、自分の体調に合わせた食事が選べるようになります。
食事に対する不安が手放せ、安心しておいしく食事ができるようになりますよ。
お米生活頑張っているのにうまくいかない、1人では心配、という人はご相談ください。
今のあなたにぴったりの暮らしや食のスタイルをお探しします。
一緒に時間にも気持ちにも余裕のある暮らしを食から作りましょう。
私の普段の食事でもごはんの量は量ってはいません。
とりあえずお茶碗によそって、たりなければお替りをするし、多すぎれば(ほとんどありませんが)おにぎりにしておやつにします。
おかずは夫と半分ずつにするイメージですが、食材によって大きさはまちまちですので、あまり気にしていません。
今は、何をどれだけ食べるかよりも、いかにおいしく、感謝の気持ちを持つかを重視することが増えています。