管理栄養士の小原水月です。
「冷え」というとどんな状態を思い浮かべますか?
じつは冷えは、手足が冷たい、いくら重ね着しても寒い、カイロが手放せない、といったことだけでは判断できません。
そう、もしかしたらあなたも気づかないうちに冷えている可能性があるのです。
冷えとは
冷えとは検査などでは異常がないのに体が冷えている状態をさします。
西洋医学では体質としてとらえ「冷え性」とし、東洋医学では治療が必要な症状として扱い「冷え症」とします。
冷えは免疫低下にもつながる心配な症状。
風邪などの感染症にかかりやすくなったり、アレルギーや肌トラブルを起こしやすくなったりしてしまうのです。
「冷えている」という自覚症状以外にも、早めにサインをキャッチして不調を防げたらいいと思いませんか?
そこで今回は冷えに伴う症状とメカニズム、食卓でできるセルフケアをご紹介します。
冷えのサイン
手足の冷たさ以外に、冷えが心配される体のサインをみてみましょう。
抜け毛や白髪が増える
ドライアイ、疲れ目
あかぎれ、しもやけ
寝つきや寝起きが悪い
頻尿
肌荒れ、くすみ
だるい、疲れやすい
ほてり、むくみ
胃もたれ、胸やけ
便秘、下痢
肩こり、腰痛
イライラ、不安感
冷えによる不調は全身にあらわれます。
丁寧に自分を観察してみてください。
冷えの原因は2パターン
冷えは熱を生み出せない、もしくは熱を体のすみずみにまで届けられない、あるいは両方が原因です。
どちらにも大きくかかわるのがエネルギー。
熱を生み出すにも、運ぶにもエネルギーは欠かせません。
エネルギーになる栄養素はたんぱく質、脂質、炭水化物の3つだけ。
なかでも炭水化物は最も効率よくエネルギーになり、冷えの改善に役立つ栄養素です。
炭水化物を多く含む食材の中でも、とくにおすすめなのが「お米」。
お米がすぐれているのは咀嚼(そしゃく)がしやすい点です。
咀嚼は口だけでなく顔、頭、首と広範囲の筋肉を使った運動。
噛む真似をしながら顔や頭を触ると実感しやすいでしょう。
走るなどの運動をすると体が温かくなるのと同じで、咀嚼をすると熱が生まれるのです。
また、咀嚼にはリラックス効果があることが分かっています。
リラックスすることで血行が促され冷えの改善につながります。
そして、お米は消化がスムーズにおこなわれるのも魅力の1つ。
お米自体にはほとんど脂質が含まれないため胃腸に負担をかけることなく、速やかに消化・吸収され、エネルギーになります。
炭水化物を減らしていたり、パンや麺中心だったりする人が、1日3回お米を食べると冷えが和らぎ、食事中から体がポカポカするのを感じる場合もあります。
1つ1つは小さな不調かもしれませんが、積み重なると暮らしの快適度を大幅に下げることも……
そこで、ごはんをしっかり食べると冷えによる不調が軽くなり、暮らしの快適度が高まります。
不調に振り回されずに過ごせると、ムダにエネルギーを消耗せずにすみ、やりたいことにエネルギーを集中できます。
やること、やりたいことがスムーズに進むと時間にもゆとりができるでしょう。
20分でも自分だけの時間が作れたら何をしたいですか?
冷えのサインに気づいたらしっかりとごはんを食べてみてください。
1回食べただけでは変化を感じないかもしれませんが、続けているといい変化の芽がちょこちょこ顔を出します。
そうしたらその芽を育てるような気持で過ごしていると、いつの間にか不調が軽くなっていますよ。
1人では頑張らないで
「1人では難しい」「迷ったり、うまくいかなっかたりして挫折してしまう」そんな人はご相談ください。
今のあなたにぴったりの暮らしや食のスタイルをお探しします。
一緒に時間にも気持ちにも余裕のある暮らしを食から作りましょう。
病院に行くほどではない小さな不調は放っておきがちです。
とくに仕事が忙しい、子どもや家族に手がかかるなど働くお母さんならなおさらでしょう。
しかし不調をそのままにしておいてもよくはならず、むしろ悪化する心配もあるのです。
そんなつらいのに休めない人ほど食事相談をご利用ください。
時間がなくても、気持ちに余裕がなくても、簡単にできて食べ続けるだけで元氣になる食スタイルをご提案します。
まず、お母さんが元氣になって家族を支えてあげてくださいね。