管理栄養士の小原水月です。
「とにかく疲れやすい」
「食事も運動も睡眠も
気をつけているのに疲れがとれない」
そんなことありませんか?
じつは、
しつこい疲れを改善するには
何をするかだけでなく、
日々をどのように過ごすかが大切なのです。
そこで、
今回は慢性的に疲れを感じるときに
体の中で何が起きているのかと、
根本的に疲れづらい体になるための
暮らし方をお伝えします。
疲れの原因は自律神経
食事や睡眠などの暮らしを整えても
疲れがとれない場合は、
自律神経のバランスが崩れている
可能性があります。
自律神経とは、
呼吸や消化吸収、血液循環、
心拍数といった生体機能を
調整している神経のこと。
自律神経には
アウェイで戦うための交感神経と、
ホームでリラックスするための
副交感神経があり、
人の臓器や皮膚、血管、汗腺など
ほとんどすべての器官が関係しています。
なので、
自律神経のバランスが崩れていると
せっかくいいものを食べても、
運動しても思うように体が反応しない、
睡眠の質が上がらないということが
起きるのです。
アウェイとホームという考え
現代人は圧倒的に
アウェイで過ごす時間が長く、
交感神経が優位になりやすい状況にいます。
アウェイとは、
家を1歩出た外の世界のこと。
学校、会社、スーパーマーケット、
公道など、不測の事態や
他人の目から無意識に
緊張をしいられる環境です。
毎日8時間働いている人は、
通勤片道1時間だとして、
最低でも10時間はアウェイに
いることになります。
それぐらい普通なのでは?と
思うかもしれませんが、
これは自然界では異様なことなのです。
ライオンなどの野生生物が
アウェイで過ごすのは
せいぜい狩りに費やす1時間程度。
毎日の時間のほとんどは
縄張り(ホーム)の中で
家族とゆっくり過ごしているのだそうです。
つまり、
ヒトは過緊張の毎日で
自律神経に負担がかかり、
バランスを崩し、
休養を欲する慢性的な「疲れ」として
あらわれている可能性が大きいのです。
疲れづらい体は日常で作る
疲れを解消し、
疲れをため込まないようにするには、
アウェイの時間が多くなり過ぎないように
調整する必要があります。
また、
疲れを感じるのならば、
ホームの時間をしっかり確保して、
意識的にリラックスしましょう。
とくに、
在宅勤務やテレワークだと
ホームでアウェイの行動を
とらなければならず、
緊張とリラックスの境目が
あいまいになりやすいので注意が必要です。
明確に空間がわけられない場合は、
意識的に副交感神経をオンにして
リラックスするタイミングを
作ってみてください。
例えば食事。
物を食べるというのはホームでの行動で、副交感神経が活性化します。
さらに、おいしい、楽しい、
安心するという感情や、
胃や腸がスムーズに動くことも
副交感神経を刺激します。
仕事やスマホ、テレビの片手だったり、
苦手な人と同席したり、
イライラや不安な感情を抱えたまま
食事をしても副交感神経は
うまく働きません。
疲れていると感じたときこそ、
食事の時間を確保して
ゆっくり味わって食事をしてくださいね。
しつこい疲れは長期戦で対処
自律神経のバランスは一度乱れると、
数時間や数日の短時間で
戻すのは難しい場合もあります。
疲れやすくなったと感じたら、
すぐに結果が出るその場しのぎの
短期的な対処法ではなく、
腰をすえて食事生活を中心に
暮らしを整えてみてほしいと思います。
普段の食事で穏やかな心と
健やかな体を整える方法は
コチラのメールマガジンでお伝えしています。
季節に合わせて食卓でできる
セルフケア方法をお届けしますので
読んでみてください。
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